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黒権現様があついです・・・。しかし世のセクシーな黒権現様が書けなorz+設定厨のスイッチ入って訳わかめなことにww
しぶにも我慢できずにあげたけど、▽←黒VS白とか。黒♀とか。それ踏まえて転生とか。▽不在とか。政+家とか。・・・おkな人だけどうぞ。
改めて自分やりたい放題過ぎて吹いた。
霊感が強いという自覚はない。出ると噂されている病院前やら墓場やら肝試しに行ったことこそあれ、恐怖体験は0だ。
しかし、今日は違う。
何かがいると、政宗の直感が鋭く告げた。
風が吹く度に銀杏が金色の羽をはらはらと落とす。肉厚な葉は踏みつけても枯れた音がしない。人気のない公園はどちらかというと柔らかい絨毯の用意された応接間のような錯覚を政宗に与えた。
「・・・。・・・」
姿は見えない。しかし恐怖はない。
これは確信だったが、政宗の捉えた気配の主は―――笑っている。
「ha、こそこそするのは性に合わないって野郎の気配だ」
「姿を見せな」そう、比較的ご機嫌な声を発すれば、風が一段と強く吹いた。小春日和のそれは冬とは思えない程、温かい。
ただでさえ狭い視界がふさがれる。一応動きやすいように足の位置を変えておいたが、徒労に終わった。
「やっぱりお前にはかなわないな、独眼竜」
「家康・・・!?」
懐かしい声だった。姿こそ東証大権現と呼ばれるにふさわしい正装を纏っているが、柔らかい眼差しは昔とちっとも変らない。
政宗は予想が当たったことがうれしくて、顔がにやつくのを何とかこらえた。余裕を湛えた隻眼で神と称される男のいでたちを値踏みするように見れば、神様の方が照れている。
「勘弁してくれ、ワシだってこんな恰好で来るつもりはなかったんだ」
「将軍スタイル見せつけときながらよく言うぜ。そいつは暗に自慢してるのか?」
なんて、ひねくれたことを言えばますます家康は眉尻を下げる。神々しさに欠けた表情を拝むことで、政宗の心はどこか満たされていた。
胸のあたりで言葉がつかえてしまっている。話したいことが山ほどありすぎて、政宗の中で優先順位が定まらない。「あんた、」と口火を切った所で、家康が首を振った。頭に着いた銀杏を払うような仕草だったが、政宗は話すことをやめた。
「ワシも話たいことは山ほどあるのだがな、おとと・・・」
もうもたないか、と零す姿はどれだけ間抜けだっただろう。
「おいおい、大丈夫か?」
失笑しながら手を貸してやる。
「地上に長くとどまることはできないからなー」
重心はそこにあるのだろう、腰のあたりからふわりふわりと天に浮きだした家康の身体は、政宗の片手でも簡単にとどめる事が出来た。人の形をした風船でも持っているような按配だった。
「で、要件は?」
「今しがた、佐和山の方の小さな病院で男の子が生まれた」
「・・・。・・・」
地名というか、家康の顔を見れば何を言わんとしているのか大体予想がついた。それを俺に持ってくるのかという代わりに手を離そうとすれば「わ、わ!待ってくれ!!」とこれまた情けない声を挙げる。
神様の威厳など全く感じられなかった。
「そうだ。三成だ」
「・・・」
不満げな政宗の表情だ。
「頼む、独眼竜。三成はこれが初めての転生なんだ。今の世界を生きるには、昔の記憶を持ちすぎている」
せっかく与えられた一生を、ワシを探してふいにしてほしくない。
ぐ、と家康の手に力がこもる。無自覚だと言うのが余計に政宗をいらだたせた。
「・・・。・・・」
こういう時に言葉を重ねることは意味をなさないと、家康は知っている。ただ、ひたむきな眼差しを向ければ、「分かった!分かったよ!!」と投げやりな了解を得た。
「独眼竜・・・!!ありがとう!!!」
ぱあああ、と家康の顔が晴れる。呼応するように薄い雲に隠れていた太陽がさんさんと光りを振り下ろした。
消化しきれなかった苛々をぶつけるように政宗はぐいと家康の手を引き寄せる。質量のない身体は独特の軌跡を描いて政宗と同じ高さに降りてくる。そうして、視線を絡めた。
「ったく、そんな回りくどいことしなくても、あんたがこっちに来ればいい話じゃないのか?」
「・・・。・・・」
その言葉に、家康は泣いているような笑みを浮かべた。
「見てくれ」
そう、自分の足もとに視線を向ける。家康の足は、まだ浮いている。金色の大地には決して足先を触れようとしない。
それは昼間の幽霊のよう。世界に拒絶され、生者の手だけを頼りに存在していた。
「ワシがここにいる事は、お前たちが水底に留まることに等しい」
留まろうと努めない限り、天に返されてしまうと言う。到底、人の姿をして居座ることは不可能だった。
「神様になった代償って奴か」
政宗が嫌悪感をあらわにして吐き捨てれば、家康が複雑そうな顔をした。
とはいえ、それはあからさまなものではない。浮かべていた笑みが、微かに強張った。それくらいの変化だ。付き合いが長いものでなければ、見落としてしまうだろう。
眼光を鋭くして、政宗が鋭い声を挙げる。
「なんだ、言いたいことがあるならはっきり言え」
今でも俺たちは対等だ。忘れんじゃねぇ。
政宗のその言葉に家康は吹き出した。「今でもか」と嬉しそうに繰り返す。伊達政宗という男が、変わっていなかったことが嬉しくて仕方がないようだった。
また政宗に手を離されそうになって一通りじゃれついた後で、
「独眼竜・・・。一つ、打ち明けなくてはならないことがある」
そう、家康は話を始めた。
「ワシが地上にとどまれないのは、影をなくしたからだ。神になったからという答えより、その方がずっと正確だ」
「han、成程な」
見れば宙に浮かぶ家康の影は、銀杏の上に落ちてくる気配はない。
「あんた自身が光なんだ」
少しやっかみを混ぜて返すと、家康は何も言わなかった。それが政宗の胸中を荒立たせる。そんなつもりはなかったが、今の一言は、酷く目の前の男を傷つけるものだったという直感がよぎったからだった。
長い沈黙のあと、家康は重々しく断言した。
「・・・そうだ。そして、それを望んだのはワシだ」
「・・・どうしたんだ?」
政宗は家康の変化に敏感だ。真剣な話を利く表情を見せれば、家康の目が感謝の色を浮かべる。
「ワシの影は・・・三成が好きだった。ワシの思う好きよりもずっと強く、恋焦がれていた」
「なっ・・・!?」
予想外の答えに政宗は言葉もない。畳みかけるように家康は告白を続けた。
「三成を殺さないでくれと、何度もワシに囁きかけた。好きな人を殺めてもなお泰平を得たいのかと、何度もワシに問いかけた。惑わされたと、言ってしまえばそう断言できる」
「家康・・・お前・・・」
短く息をついて、酷くあっさりと家康は言いきった。
「立ちはだかった影ごと、ワシは三成に拳を振るった」
「・・・」
「影は、三成と行くことを選んだ。ワシの最も女々しく、最も脆い部分だった。止める権利は、元は同じものでもワシにはない」
「しかも・・・」
「ん?」
「あんたが・・・影と一緒に行くって選択肢もなかったんだろ?」
鋭い指摘だ。
家康は泣きだしたくて仕方ない。
しかし涙の流し方を忘れたがために、笑って答えた。
「やっぱりお前にはかなわねぇなぁ」
だからワシは――――、そう話す家康の声が遠くなる。声だけじゃない。存在自体が希薄になっている。
「おい、待て!家康!!」
「―――――独眼竜―――――三成を―――――よろしく頼む」
最後らへんは、遠くにいるはずのトラックの駆動音にかき消されてしまった。
日差しは変わらないと言うのに、政宗の立つ場所は酷く寂しかった。
・黒権現♀に夢見すぎててごめんなさい。▽←▲ってすごく権現が乙女になりすぎて精神分裂をきたす。
・家康さんの一番人間臭い感情が影→そいつを断ち切って神様になったのが権現という構図にド嵌りしてここ一週間くらいジタバタしてた
・イメージとしては安室 奈美恵のd.e.f.e.n.d.l.o.v.e。PV。あれはいいものだ・・・。
・ちなみに白黒の精神攻防戦が大好物です。常世物語のオセロゲームみたいにふいに黒が襲ってきたらおいしいもぐもぐ。裏返されそうになっている家康さんを誰かが引きもどしてくれたらと妄想が暴走。
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