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 中二病全開。よく調べずに書いてしまいましたすみません。ひたすらに俺得な胸熱を追いもとめたらこのザマだよ。山ばかりで特に意味はない。
>11.19しぶにあげているのと同期させました。ご評価ありがとうございますー



 月が天高くにとどまっている。風にながされた雲に何度も隠れた。

「そういえば・・・子どもの頃三成と月読命が男か女かでもめたことがあったな」
「・・・アンタさっきからどうしたんだ?」

 その直前、『あの白い光は熱いのだろうか、それとも熱いと錯覚するほどに冷たいのだろうか』なんて意味不明なことを呟いていた。応えを返す前にこれだ。
 以上に話題をころころ変える。
 何か、時期をはかっているかのように。

「あ、いや・・・なんでもない」

 家康はさっと政宗から顔をそむける。
 振り向きざま、政宗の不機嫌そうな顔が見えたのか家康は情けない口元をしていた。

「・・・・・・・・・・・・・独眼竜」

 家康は長い沈黙の後に小さく呟く。
 本人に聞きとられない事を願うのか、とても細かった。

「Ham?」
「・・・」

 残念ながら政宗はここぞとばかりに地獄耳を発揮し、煩そうに振り返る。目に入るのは家康の陰った顔だ。

「なんだよ」
「あのな・・・」

 僅かにあいた口が躊躇いをみせている。言うべきか、言わざるべきか。政宗の遠慮ない視線から逃れるように家康は瞼を伏せ、時々飼い主の機嫌を伺う犬のような表情で政宗を見る。
 微笑ましい、可愛いと言う感情より先に、面倒くさいという感想が政宗の喉まで出かかった。この嫌悪感を知っている。普通は男がかもしださないそれだ。

「多くは語ることが出来ない。だが、聞いてほしいことがある」

 すぐさま察した。これはまずい話だと。

「チッ」

 一人の問題ならば、打ち明けるだろう。聞いてほしいという言葉だけで済む。それくらいの信頼関係は築けていると確信している。逆に言えば、家康はさらに一歩踏み込んできたのだ。
 制限をほのめかしたのは、同じく一国を背負う政宗ならば、無理にその奥に足を踏み入れないでくれるという確信があったからだろう。その重みは、政宗にとって益とも損ともなる。見極めねばならなかった。

「How come? 女々しい愚痴になるなら願い下げだぜ」
「ははは、ワシってそんなに女っぽいか?」

 笑うが声は冷たい。嘘っぽいその声が政宗の耳に障った。

「図体はともかく中身はな」
「鋭いんだな、独眼竜は」

 辛らつな政宗の言葉にも家康はお構いなしだ。よく聞かないと、その大らかな心が傷ついているのが分からないほどに、明るい。

「ったく・・・」

 つんけんとした態度を見せながら、政宗はちゃんと家康に向き直る。言葉にはない回答に、家康の表情は少しだけ和らいだ。
 えーっとな、と言葉を選ぶ。政宗を苛立たせる気はないのだろうが、逆効果だった。

「いや、本当大したことじゃないんだが・・・いや大したことになるかもしれないんだが、ワシに何かあった時に思い出してほしいんだ」
「端から死ぬようなこといってんじゃねえ。大将格から引きずり落とすぞ」
「ふふ、―――すまんな。なあ、独眼竜」

 無理に家康は話題を進めようとする。政宗はますます険しい顔つきになった。

「ワシは武器を捨てた」

 さらと、言い放つ。相変わらず、この話をする時の家康の顔は清々しかった。

「ああ、そうだな。酔狂にもうちの総大将は素手で戦国に挑もうとしている」

 ひねくれた褒め言葉、はたまた嫌味にも家康の顔がほころぶ。
 しかし目は、瞳は、金色の双眸は。全く家康が笑っていない。

「―――・・・」

 緊張を通り越して戦慄した。空気が張り詰める。政宗はなんて顔だと思った。
 家康の唇はどこか艶めかしく動く。

「そうだ。ワシは武器を捨てた。この身一つで人の心に挑みたいと思っている」
「Impressed.崇高なことだな」
「そういってもらえると嬉しいよ。口で言うのはたやすいが、難しいことだ。本当にそう思う」
「・・・」

 ゆっくりと瞼を閉じるのが様になる。仏像にも似た笑みを浮かべ、

「なあ、独眼竜」

 何気なく家康が問うた。


「使われなくなった武器はどこへ行くと思う?」


 風が吹き抜ける。月が家康の頬を白く照らし、雲が家康の髪を黒く染めていった。
 険しい表情を見せる政宗を安心させようと家康は無理に笑ってから、僅かな沈黙の後、打ち明ける。

「実は・・・」
「捨てられた、あの槍か?」
「あ、・・・ああ。もちろん・・・。・・・。・・・・・・あれは先祖代々使っていたものだから三河の社にお返ししたのだが・・・―――消えてしまったのだ」
「なっ」

 「いやー、困った困った」と目じりを下げる。「何やってんだアンタ!!」と拳が飛んでもびくともしない。頑丈な野郎だった。
 ぎらぎらと殺気だった政宗の視線にも恐れない。なくしたのは家康じゃないからおかしな表現かもしれないが、反省の余地もない。無駄に前向きな口をきく。怒るこっちが疲れるというものだった。

「盗まれたってことか?」

 鋭く尋ねる。

「・・・さあ。役目を終えたということかもしれん。ワシも頑張って鍛えたからな。ワシの身体が武器に近づいた・・・というとやっぱり問題があるか、うーん・・・」

 大事だという意識がないのかと政宗の鋭い隻眼が家康を射抜いた。そこには呆れと怒りがごちゃまぜになった感情がある。
 また何か言おうと家康の口が開く。思っていることをそのままに言えばいいのに、間抜けな顔のまま、固まった。

「・・・。・・・スマン」

 ――――唐突に家康は謝った。

「今の話は忘れてくれ。失敗した」

 ふう、と張り詰めた間をぶち壊すように嘆息する。大げさに髪をかき、何かを決別するように一度硬く瞳を閉じた。
 それから、からりと笑うと、

「大事なことを言いそびれてしまった。いや。言えなかった、かな。忘れた方がいい。頼んだぞ、独眼竜」

 そう、一方的に会話を切った。政宗が家康の入ったことを理解するころには踵を返している。

「家康?Hey!一体どういうことだ!!」

 謎だらけの言葉は、ふける夜の中に残されていった。
 月は薄雲の中で煌々と光り、白い輪を作りだしていた。





 そして今。政宗は家康の言葉を一人必死に記憶の海から拾い上げようとしている。
 今とはいつか。言うまでもない。家康が松永久秀に攫われた。

「あの槍はもう盗まれている・・・」
「徳川軍にも言質をとりました。豊臣との小競り合いが絶えぬ頃嵐の夜、忽然と消えたとか。雷電となり天に帰ったのだと言う者もいます」
「あいつが現れたならそんなfantasyなこと言ってられないだろうがな!」

 小十郎と馬を急がせながら政宗は叫んだ。ここの空気は全く澄んでいない。吸えば吸うだけ命を削る。
 しかしそんなことは、気にしていられない。
 政宗の腹は怒りに煮えたぎっていた。

(松永!)

 あの気に障る笑みが頭をかすめる。竜の爪で切り刻んでやると改めて心に誓った。

「じゃあ今度は持ち主をってことか?」
「分かりません。そうればかつて松永の奴が六爪や楯無の鎧を単独で奪おうとした意図からははずれます」

 全くその通りだ。政宗の眼にも松永久秀という男は人にはこれっぽっちも興味ない人間に見えている。
 家康をさらう道理が全く見えなかった。

「家康・・・アンタ、何を伝えようとしていたんだ?」

 『失敗した』、『忘れてくれ』、『頼んだぞ』どれをとっても意味不明だ。しかし、あの時の家康の表情は憶えている。何かとんでもないことを抱えている顔だった。
 誰に打ち明ける事も出来ない。本当ならば政宗にだって隠しとおさねばならない秘密を抱きかかえ、ただただ弱っていた。
 自分にその存在を伝えてきた。信頼されている、ということだろう。だがほのめかし方が下手すぎる。一体何の話なのか、もう少し直接的に言うことが出来なかったのか。
 責めてももう遅い。あの時話を深く掘り下げなかった自分にも非があると政宗は歯ぎしりする。

「まさか素手で戦う者をそのまま武器とみなしたわけじゃねぇだろ」

 冗談のつもりで言う。
 小十郎は真剣に応えた。

「分かりません。あの男の考えることは・・・」

 夜闇を見るように、何も見えませぬ故。
 そう、毒を焚きしめた城門を一気に馬で駆け抜けた。

「ク、ククク」

 相も変わらず不気味な笑みを浮かべた男が、囚われの大将の腰を腕に抱いて待っていた。
 見た目ではなかなか判断できないが、一度松永は家康の首を掴みあげている。意外と力は強いらしい。
 今もまた、意識を失った家康を軽々と支えている。

「やあ、来たね。卿らを待っていたよ」
「家康!!」

 松永になんぞ目もくれない。薬をかがされでもしたのだろうか、政宗の視線の先の家康はびくとも動かなかった。瞳は硬く閉じられたまま、月光を受けた頬の色は病的にも見える。

「うちの総大将を返してもらうぜ、松永!」
「せっかく手に入れた宝を返すほど私は寛大ではないのでね。残念ながら、東照のこの姿は今日で見納めだ」
「みすみす殺させるとでも思ってるのか?」
「I know it、小十郎!一気に決めるぜ!!」

 松永は面白いものでも見るような顔で言い放った。

「ふむ――――――――卿らは何も知り得ずにここに来たか」

 既に刀の柄に手を伸ばしていた二人が止まる。
 行きがけの会話、特に政宗は家康のあの言葉が脳裏によぎった。

「この偽善者のためにこの死線を越えてきたというわけか。だとすれば、山師どもの筆がふるえる程の美談になるだろう。ククク、腸がよじれそうだ。苛烈苛烈。卿らの言う〝絆〟とは、まさかこの事を言っているのか?」
「だったらどうした・・・!!」
「やめてくれ、東照にうずめられたものの価値も知らずに取り返しに来たような愚かな連中と刃を交える気はない」

 つつと、家康の頬を松永がなぞる。汚らしい仕草に政宗の腹の内が大荒れに荒れた。

「・・・松永てめえ、刀はどうした?」

 小十郎の指摘にはっとなって政宗も松永の腰を見る。丸越しだった。
 どういうことだ、と奥州の主従は目を合わせた。松永だけが、涼しい顔をしている。

「では、少し講釈を授けよう。なあに、夜は長いんだ。卿らに私が生身の人間まで収集するようになった気狂いと思われるのも心外なのでな」
「・・・」
「小牧・長久手の小競り合いの折、私は三河に忍を放ち、東照権現、徳川家康の使っていた雷槍を盗ませた」

 やっぱりてめえかと政宗の罵倒が喉まで出かかる。

「正直当てが外れたよ。私が三河で探しているものはこんな何の変哲もない槍ではない」
「・・・?あれは徳川家が代々使っている・・・」
「あれは大した力も持たんよ。六の刀にははるか及ばない」
「・・・」

 こうも家康との会話を容易く切られると政宗は言葉を失う。
 松永が目を細めて続けた。

「徳川が豊臣に下った後、豊臣方に扮した隠密を三河へ送り調べさせたがこれが面白い。卿らも東照とこれほど近くにいても気づかなかっただろうな」

 皆が皆この狸に化かされたと言うわけだ。
 松永は家康に一瞥をくれた。家康は沈黙を保ったまま、松永に身体を預けている。だらんと下がった腕が無力無抵抗をありありと伝えてくるようで、政宗の胸はざわついた。

「これ以上御託を抜かすようなら・・・」
「やれやれ、まだ何も始まっていないと言うのに短気な男だな、卿は」
「アンタのその言い草じゃ、家康の持ち物を奪う事が目当ての様だが・・・、It’s a paradox!アンタ、生身の人間には興味がないんだろ?」
「ああ」

 短く松永が頷く。

「私は徳川家康・・・否――――――竹千代姫など全く興味がない」

 何を言われたのか分からない。

「強いて心惹かれるならば、剣を収める〝鞘〟としてくらいだろうよ」

 一瞬、聞き間違えかと思ったほどだ。

「wait, wait, wait!!!松永、アンタ今家康の事をなんて呼んだんだ!?」
「竹千代姫。三河の者は外の者には通じぬよう『さや姫』、『さや殿』などと呼ぶようだがな」

 言葉が続かない。
 今の政宗たちは相当間抜けな顔をしていることだろう。
 それもそうだ。松永の方の気がおかしくなったとしか思えない。今アンタが抱いてるのはたおやかな姫君じゃなくて、筋骨たくましい肉ダルマだぞ。
 そう政宗の顔に書いてあるのを読み取ったのか、松永は語りだした。

「三河では国主に長子が生まれると、必ず男であると触れを出す習慣があるそうだ。それは今川、織田へのけん制であり、独立を保持するために必要であったことであった。なに、実際に徳川家の長子は必ず男が生まれるようになっている。卿らの嫌う嘘偽りではない」
「・・・」
「女が生まれてしまったらどうするか?何の問題もない。どんな柔らかい身体を持って生まれようと、〝鞘〟になってしまえば皆同じだ」
「さっきから何を言って・・・」
「東照が雷槍を捨てたことが何よりの証。本来、あの槍はさや殿が持てる代物ではない。一つの剣にかしずくよりないさやの身で、他の武器を従えようなどと思うなど愚の骨頂。武器の方が参ってしまう」

 盗み出したとたんに、槍は朽ちてしまったよ。
 突然松永が家康の胸当てをはぎ取った。欲望を駆り立てる音が響く。ますます殺気だった政宗を挑発するように松永はむき出しになった家康の胸に手を当て、ニタリ、と笑った。


「愚かで幸せな卿らに特別に教えてやろう。徳川の至高の宝は、どこでもない。ここに埋まっているのだよ。神を殺めた八支の十拳剣、天之尾羽張(あめのおはばり)はな」




「・・・」
「・・・」

 荒唐無稽な話に政宗も小十郎も固まるよりほかなかった。ただし二人とも伊達に戦国の将として生きているわけではない。自分たちを囲う気配に、戦力を持たない松永から死線を外した。
 瞬間、地の底から轟くような怒声が耳をつんざく。

「イイイエエエヤアアスゥゥゥゥゥゥ!!!!!」

 考えたくはないが最悪の展開だった。

「石田!!?アンタ、どうしてここに!!?」
「誰だ、貴様?」
「もうその返事は聞きあきたぜ、鳥頭!」
「ヒッヒッヒ、成程、以前徳川から感じた異変はこのためか・・・話は聞かせてもらったぞ。なにやら愉快なことになっていやる」

 西軍総大将こと凶王、石田三成とその友大谷吉次は丁度、松永を挟んで政宗たちと対峙するように現れた。

「頭を垂れろ!ここで斬滅してやる!!」

 共同戦線を張った覚えはないが実質見れば、松永が退路を断たれたように見える。

「っち」

 政宗にしてみれば厄介きわまりなかった。松永を倒してもまた次の敵が奪いに来る。なんとか慶次たち援軍が来るまで場を持たせるか。向こうも向こうで毛利や真田といった控えがいる、それを思うと舌打ちしたくもなるというものだ。

「ほう、これも東照の人徳か。これほど錚々たる顔ぶれが別れの時に現れるとはな」
「させねぇっ!!」
「家康ッ!!」

 政宗と三成が同時に松永に迫る。その抜き身は人離れしたものだったが、いかんせん相手は韋駄天を思わせる俊足の持ち主だ。家康という重い荷物を抱えたままでも、松永は二人の凶刃を逃れた。
 また片腕で家康の身体を支える。悩ましげに伸びた首の線が、家康の危機をまざまざと伝えてくるようだった。

「どけ、貴様!」
「Hash!邪魔すんじゃねえ!」

 もともと敵同士だ。足並みがそろわない。見苦しさここに極まりといった感じだ。
 実際、松永は丸腰の癖に悠々としている。「ほう、」と家康相手に意外なほどに暑苦しい態度を見せる二人に驚いているようだった。
 しかし残念ながら松永は善人ではない。

「卿らには悪い事をしたかもしれないな」
「ham?」
「先ほど言った通り私は鞘としての価値しかこの人間には求めていない。しかし天之尾羽張を抜きとるにはどうしてもさや姫と契りをかわす必要があってね」
「なっ・・・」

 「少々、乱暴も働いた」と、家康の戦装束からのぞく胸を更に晒す。
 浮かべる笑みは禍々しく、松永の口元をゆがませた。

「――――っ」
「・・・」

 左胸、心の臓の部分に酷く赤い華が咲いている。
 政宗と三成は似たような顔つきで松永に殺気を送った。
 言葉はない。二人とも刀を握る手が軋むような音を上げていた。

「八支の剣・・・ってことは刀身の両端から枝となる部分が・・・」
「そんなものに鞘が?かね?」

 喉まで出かかっていた言葉を奪われ、小十郎は松永に切っ先を向ける。

「なるほど、本来であれば鞘など作れぬな。抜くことが出来なくなる故」
「その通り。しかし熱かい悩む神の火を切り伏せ、神格さえ得た剣を封ずるには・・・」
「人柱を用いるよりほかない」
「それが〝鞘〟。徳川家の嫡子に与えられた宿命だ」

 神が残した人との絆を繋ぎとめるために、常に秘め事を持ち、周りを欺き続けなくてはならない。松永は朗々と説く。さも当たり前のように。

「Irresponsible lie・・・んなことがあって」

 政宗は、足に力が入らなくなったような感覚を覚えた。
 こんな馬鹿げた話を、真実として受け止められるだろうか。たとえそれが真実だとしても。信頼を置きあった同盟者の言葉であっても。
 上手く伝えることに『失敗したら』それまでで。『忘れて』貰うより他ない。

「あの笑みはそういうことかよ」

 それでも、『頼んで』くる家康に、怒り半分、こんな時でも笑みが浮かんでしまいそうだった。
 一方、

「ふざけるな!!」

 三成は怒号をぶちまえけた。おや、と松永が片眉を上げる頃にはあっという間に懐に踊りこむ。

「徳川家康という男は確かにここに存在している!!さや姫などという存在を私は認めない!!!」

 瞳孔が開ききっている。刀を突き付けられても松永は涼しい顔だ。松永はその妄言を撤回しても喉元貫かれて死ぬと分かっている癖に、激昂する三成を馬鹿にするように笑った。

「なるほど、卿はあくまで友はそのさだめに従い生きることを望むか。それも良かろう。なにせ神の剣を身に宿しているのだ、武器など持たずとも一騎当千の人外にしかなれん。いずれは東照自身も神剣の鞘として神格を得てし・・・」
「黙れ!!貴様は二度と戯言をさえずれぬよう、ここで斬滅してや・・・」

 死んだ。と政宗は確信した。あの距離ではよけることもままならない。
 しかし三成は動かない。影を縛られたように、身動きが取れず、何かを凝視している。

「見ていくがいい。これが、神の剣だ」
「馬鹿な!!」
「政宗様、あれは!?」
「Crazyすぎるだろ・・・!?」

 松永の腕の中にいる家康の胸の内で何かが光っている。まさか、と息をのむ間も与えず、松永はそれを掴んだ。
 意識を失っているはずの家康の顔が僅かに歪む。丁度、不意に秘所を嬲られたような表情だった。
 家康は起きない。そのまま白い圧倒的な光に犯されていく。


「やめろ・・・」

 三成のか細い声が政宗の耳元にまで聞こえた。

「やめろぉぉぉぉ―――――っ!!!」

 「家康――――!」という人らしい凶王の叫びも虚しい。
 この世のものとは思えぬ光を放ちながら、家康の胸から確かに剣は抜き取られた。目もくらむような輝きを放つ。鞘に収まっていた頃からにじみ出ていた、不思議な引力のある光だった。

「これが・・・天之尾羽張」

 希代の蒐集家だけが欲望をむき出しにした瞳で美しい刀身を愛でる。
軽くなった〝鞘〟の姿を見れば、なるほど、もはや仮の姿など不要になったか徳川家康と呼ばれていた男の名残はまるでない。

 たおやかな美女が己の腕の中にいた。




 これはあれだ・・・・女体化かつ三家、政家、松家の三巴。つまり俺得でしかない。


※以下書けなかった続き


貴様は家康ではない!とか言い放ちながら一緒に松永倒しに行って元の姿に素直に戻してくれる三成ルートとあれこのまま戻らなかったら俺達get marryしていいんじゃねぇかという葛藤と戦い続ける政宗ルートと身も心も三河のピーチ姫な松永ルートかなこの場合・・・。

・ウテナ見てたらいてもたってもいられなくなったってのがことの発端です(あたー)
・みんなで花嫁争奪戦やればいいとも思う。さーみなさーん、決闘のお時間ですよー!レッツ トウショウ エンゲージ!
・・・そこまでいくとなんとなく幸家が合いそうなシチュかなとも
・結構弱ったというか何か抜け落ちた感じのやっさん妄想がノンストップ。アンシーみたいなちょっと思わせぶりな発言でいろんな人を翻弄してほしい


(11.11.06)
 竹千代姫のキャラ設定にぐおおしているうちに、きれいに支離滅裂のまま3パターンできてしまった。中途半端なんですけど時間取れそうにないんで晒しておきます・・・。

【白さや】
・やすと記憶があまり同期されていない
・戦闘能力ない
・顔の感じは髪おろし康の女の子版・・・どちらさまでしょう^p^?
・いかにもおひい(姫)様ってかんじの性格になり下がり東軍の士気はダダ下がり
・“鞘”としての役割に自我(絆!)を持ってかれやすい


・松永に連れ去られる前に政宗に救出され東軍陣営へ
・にょ康がドストライクな筆頭はなんだかご機嫌斜め
・「政宗様」呼びだから?
・あとは天之尾羽張の所有権=鞘との契(男康は尻穴なのでノーカン)でしっちゃかめっちゃかやって
・天之尾羽張を納める=男康にもどるな筆頭の葛藤をかけば完全に俺得展開です・・・


【黄さや】
・やすと記憶が結構同期されている
・しかし肝心な関ヶ原あたりが抜けている
・戦闘能力は男康よりスピード重視、打撃軽い。パワーファイター系女
・顔周りはやすやすしたにょ康
・“鞘”としての役割などどこ吹く風、絆!


・豊臣離反の記憶がないので何食わぬ顔で西軍に行ってしまう
・で、三成に殺されそうになる
・三成のブラックボックスの果てでこいつは家康ではないという結論に
・とりあえず松永ぼこるで共闘(俺得!胸熱!!)
・途中豊臣離反の事実を知り、家康自身に疑問が生まれ・・・であとはいいオチがみつかれば書けそう


【黒さや】
・まず人としての記憶がぶっとんでいる
・チート系黒権現を女体化させたらきっとこんな感じ
・鞘”としていかなる形の武具も納められるようになっている(あいたたたた)


・三成、政宗が共に松永のもとに家康救出に向かう
・そこに立ちはだかる雰囲気ががらりと変わったにょ康
・手に獲物はない。しかし闇の奥から松永は「その下らぬ絆ごと切り捨てるといい」と囁く
・家康は天之尾羽張の要領で胸から三成の長刀に似た刀を取り出し襲いかかる

・その後もあーんな人やこーんな人の武器を使いまくりながら敵役に徹する康を妄想すると胸があつうなります

・イメージ曲は「Bad Apple」です・・・
しかし松永先生キャラつかめなさ過ぎて辛い・・・もうちょっと修行します。

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