忍者ブログ
やっさんドマイナー祭りはじめます。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


 家康青ルート前提嫁×嫁。またやった。懲りてないですごめんなさい。

 



 


「まだ戦える!!」

 そう、家康は己に吠えた。
頑固というよりは意地っ張りな声の調子は、どこか幼子に戻ったような錯覚を覚える。道を阻む黒が、大人然とした笑みを浮かべているならなおさらだ。

『・・・その傷で、か?』
「浅い方だ!問題ない!!」

 行かせてくれと歩く姿は、世辞にも五体満足とはいえない。それもそうだろう、日の本に数多いるいくさ人に勝負を仕掛け、過去の因縁とも決着をつけた。決して、安易な道のりではない。兵も己も、深く傷つき、疲労困憊している。
 今にも倒れてしまいそうな白の様子を、黒は眉一つ動かさずに眺めている。
 耳を塞ぎたくなるような音とともに白が崩れ落ちても、視線を見下すように下げただけで、びくともしなかった。
 黒の口元に浮かぶ笑みが、逆に薄気味悪かった。

『う・・・・ぐぅ・・・・』

 官兵衛の鉄球にあばらをしこたま折られたのだ。起き上がろうにも、身体を曲げれば内臓に骨が喰いこんでしまう。それでも白は前へ進もうと、地を這った。
 みじめな、敗者のように。
 涙をにじませ、歯を食いしばり、黒の元へと、這ってくる。

「今ワシは倒れるわけにはいかない・・・!」

 泥土にまみれながら、白は己に言い聞かせる。
 無論、それは黒の耳にも届いてる。

「ここで潰えるわけには、どうしても、いかねぇ・・・!!」

 そう言いながらも腕の限界が来たのだろう、また白は大地と抱擁を交わした。三成あたりが見れば、至極満悦な笑みを浮かべるような光景だっただろう。
 黒は。いい加減に笑うのをやめた。
 そして問う。酷くゆっくりとした調子で、生き急ぐ白に問うた。

『本当に、その身体でか?』
「そうだ!!」

 頭に血が上っている。そうでなければ説明がつかない。

『本当に、戦うつもりなのか?』
「ああ!!」

 否、徳川家康ならば説明がつくのかもしれない。
 目の前の事象を意識できない。所詮光は影を滅する存在だ。
 黒が抱いている感情など、100年たっても白には分からない。

『おめぇはいつまでたってもそうだ』

 黒が白を乱暴に引き寄せた。絶叫がこだまする。折れた骨を直につかまれれば、痛いに決まっている。己の身体なら、十二分に分かるはずだ。
 ぽろ、と白の目じりから涙が伝い落ちた。その軌跡を、やはり黒はどこまでも無感動な表情で眺めていた。
表情はないはずなのに、そこからは内に秘めた激情がにじみ出るようだった。

『眠れ』

 怪我の問題ではない。白という存在は摩耗し、疲弊しきっている。ここに来るまでに一体どれだけの敵をその拳で薙いだであろう。仲間を失う度、どれだけの涙を堪えてきただろう。
 現に焼けるような激痛にもかかわらず、黒の暗示に従うかの如く、白の瞼は閉じようとしている。抗う身体は強張りきっていたが、もう一度黒が『眠れ』と耳元でささやけば、素直に黒の胸の中に身を預けた。

『そうやって、しばらくワシに抱かれていろ』

 少しは、ワシを使ってくれていいんだぞ。
 そう、黒は寂しそうな瞳の色を覗かせて、意識を手放した白同様瞼を閉じた。

 猿飛佐助は瞠目した。
 壁に身体を打ちつけて、家康が意識を失ったのはほんの数秒。打ちどころからして、当分起きやしないだろうと安堵の息を漏らしかけていた時だったからなおさらだった。

(違う・・・!)

 理性じゃない。佐助の本能が鋭い声を挙げ、やっとそれに頭の理解が追い付いてくる。
 家康の戦い方が変わった。はた目から見れば、何の変化もないだろう。同じ戦いに身をとおじる者だけが分かる、些細で、しかし重大な変化に佐助は息を飲む。

(まずい!)

 形勢が逆転する。さっきまで押していたとは思えぬ気弱な台詞が脳裏をかすめた。忍としての勘は決して鈍らない。いだいた感情は、紛れもない本物の焦りだった。

「――――っ」

 先ほどまでのいっぱいいっぱいな掛け声はない。それこそ、光りのような速さで、家康は佐助の懐深くに飛び込んできたのだ。重度のけが人の動きとは、到底思えなかった。

「くっ!!」

 コールパンチといってはばからない、ふりの大きな拳さばきも、タイミングをわざとずらしている。少しでも家康の動きになれていれば、あっという間にカウンターの餌食になっていただろう。
 単純明快な戦闘スタイルが、どこかトリッキーで悪ぶったそれに変わる。

「誰だよあんた・・・」

 思わず佐助が呟いた。
 違う。
 こいつは違う。
 目深にかぶったフードの奥で光る双眸は、決して澄んだものではない。夢や理想を語る、あの清々しい瞳はどこにもない。
 家康の眼は貪欲な、鈍い二つの光を湛え、獲物の屠り方を案じている。
 さながら、一匹の人喰い虎のように。野蛮で、粗野。荒っぽく、戦う相手への敬意は微塵も感じられないのだ。
 佐助が恐怖を抱くには十分な様だった。

「しまっ――――!!」

 家康が佐助の背後を取った。
 生命与奪権を奪われたと理解した佐助の表情を覗き込む家康の表情は、どこか歪だった。

「はは、楽しいな」


 なんて、狂っているとしか思えない言葉を漏らすほどに。

 


なんか世の中とズレている黒権現(以下イタイ妄想)

 一言で言うと利己心。白大好き。でも白には嫌悪されている。身体乗っ取りたいとかはない。フェアプレーの精神とかもない。家康という男がもうちょっと自分を大事にすればいいとおもっている。
あと、生存本能が強い。


 権現マジ権現って台詞を誰でもない権現に向かって言わせたくてこうなった。「黙って抱かれていろとか」、「こいよ」、とか言わせてぇぇぇwwww
 

拍手[22回]

PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
E-Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
TrackbackURL:
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新CM
[08/19 原始]
最新記事
最新TB
プロフィール
HN:
そぼ
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
P R

Template "simple02" by Emile*Emilie
忍者ブログ [PR]