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やっさんドマイナー祭りはじめます。
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・▽▲だけにね!・・・誰うまにはならないなぁ
・もう半月きるっつーのにサーチのカテゴリーを増やしてきた。計画性がない奴ですすみません


 



 


「権現!小生から離れるんじゃないぞ!!」

 官兵衛のご機嫌な声が戦場に響き渡る。

「お前さんは小生の幸運の明星だからな!」

 どこまで本気なのかは知れない台詞にどっと黒田軍の笑い声がわいた。皆、折り紙つきのヒキの弱さを誇る官兵衛についてきているだけあって底抜けに明るい。中には家康と三成の中を知っているのもいようものなのに、 満面の笑顔で笑い飛ばしている。

「は、ははは・・・」

 一方の家康は。黒田軍とは裏腹に、渇いた笑いしかだせない。びりびりと身体の右斜め後ろが痛い。敵は前方12時にいるというのに、死線は身内の方から突き刺さってくるようだった。
 ――ようじゃない。
 家康は実際、三成に後ろから刺されるんじゃないかと心配した。以前三成は己の前をいく者は容赦なく斬り伏せると抜かしていたが、今だったら家康の後ろに立つようわざわざ方向転換をかけてもおかしくない。

「官兵衛・・・」

 何故ここまで三成の地雷を踏むのが上手いのか。意識的に無意識的にかかわりなく、常に三成の神経を逆なでる官兵衛に家康はある意味感心してしまった。

「権現ー、―――明星ー!」

 とうとう己のつけた名前でまで呼んでくる。まだ陽の名残残す夜闇に光る星の名を使うには、官兵衛はむさくるしすぎた。だから、官兵衛の言い草が妙に滑稽で、黒田軍の笑いに流された家康も堪え切れずにとうとう笑った。

「そうだ!お前さんは笑ってろ!それが一番似合う顔だ!!」
「もうやめてくれー、官兵衛!ここ一番の時だというのに、くくくっ」

 腹を抱えて鶴翼の陣の対岸、右翼の様子を見る。

「・・・。・・・」

 笑い涙で滲む視界の端、遠くに見える三成の背中が威嚇に心なしか大きくなっているのが見えた気がした。

 ◆


 とはいえ。官兵衛といると愉快極まりない戦も、夜になればお開きだ。

「・・・。・・・」
「・・・。・・・」
 
 あとは戦よりも恐ろしい、本物の修羅場が待つばかり。である。

「三成・・・」

 軍議の後、背後に悋気の蒼い焔を燃え滾らせている三成を見て、家康の身体は本能的に戦慄した。感情のたががいかれきって、逆に静かになっている三成の姿に冷や汗が止まらない。
 ちら、と周りを見渡そうとして、諦めた。蛇に睨まれた蛙の気持ちがよく分かった。
 家康は生唾を飲み込みつつ、まだ官兵衛は無事だろうかなんて、これまた三成を怒らせそうなことを考える。 間男ともども仕置きされるなんてどこぞの腰元の持ちネタにありそうな構図だ。・・・自分と官兵衛じゃ全く絵にならないが。

(いかんな・・・)

 場を冗談めかす余裕を取り戻しつつある頭はともかく、身体が本能がぎらぎらとした感情を剥き出しにしている三成に恐怖を抱いているのを認識し、家康は内心呻く。
 あっという間に長刀の攻撃圏内に入られて、家康は構える以前に身を強張らせた。

「三成、話を―――」
「貴様に聞くことなど何もないっ!!!」

 叫びざま、三成自慢の駿足が唸りをあげる。元来縦の動きには弱い、人間の目では三成を捕らえるなどできない。ああ、死んだ。家康は息を飲んで、思わず目までつむった。

「・・・。・・・?」

 どしりと重い感触はしたけれど、冷たい刃の感じはしない。
 おっかなびっくり家康が目を開くと―――目の前に三成がいた。

 一心不乱に、抱き着いてきている。

「・・・え?」

 家康は間の抜けた声を漏らす。家康の胸に顔を埋めて動こうとしない頑なな雰囲気は、どこか意固地な子供を思わせた。
 切り伏せられるものとばかり思っていた家康は、予想外過ぎる三成の様子に狼狽仕切った声をあげる続ける。三成?三成??と何度も呼びかけるのだが、聞こえていないふりだろう。三成は腕ににますます力を込めた。
 
「・・・。・・・」
「三成ぃ・・・」

 普段がああな分、こう甘えられると家康はなす術ない。罵倒されながら泥土の責め苦を負わされるのに比べればかわいいものだ。
 そう、予想を大きく裏切られた反動か、家康はとろけた笑みを浮かべた。

「・・・お前もなかなかかわいい所あるなぁ」
「煩い!黙って抱かれていろ!!」
「分かった」

 降参だ。抵抗しないとばかりに両手をあげる。
 家康は三成のされるがままになっていた。

 



・官家熱に比例して脳内で▽のデレ具合もインフレおこしてる。イメージとしてはトトロのメイちゃんwww軍議の間はいい子にしてたんだねwww
・明星はそこにいるけど、彗星は瞬く間にいなくなる。官兵衛はこの絶頂期の後、▲が離反して、一気に不幸のどん底にまで突き落とされ、宇宙みたいに終わりのない暗闇の中で一言「・・・そうか、お前さんは彗星だったんだな」漏らすとこまで妄想して2424してた。YES末期。最後▲に日の下に救出されて太陽エンドとかくどすぎるね


・今回はデレ成で済ませたけれど、三と官の険悪ぶりはあれなのでシリアスにすると痛かったり怖かったりする。
・ちょっとでも官兵衛に触られてくると消毒したがる三成とか。これも絆の形の一つと全部ひっくるめて三成を好きになろうとする家康とか。「そうやって自分を騙す気か」なんて家康を困らせたくはないのにあきらめが悪い官兵衛とか。

・駄目だ止まらんwww!!
 

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