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やっさんドマイナー祭りはじめます。
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・官家だよ。大事なことだから二度言うよ。官家だよ、▽▲要素は薄いよ
 
・二時間くらいしか寝てないテンションで書いたので超カオス


 
 
 


 
 合法的な頼まれごとをめったに断らない家康が渋い顔をした。見た目とてもおいしそうなしし唐が口に入れた瞬間火を噴いた、そんな予想外な顔をする。
 
「あー・・・それはちょっと」
 
 珍しく消極的な家康の反応に官兵衛は眉をひそめる。とはいえ、実際眉が見えているわけじゃない。眉をひそめているような、肩のくすめ肩をしたのだ。表情がうまくうかがい知れないのを補うように、官兵衛の挙動はどこか大ぶりだ。
 
「いいじゃねぇかそれくらい」
 
 「別に尻貸せって言ってるわけじゃないぞ」なんて、冗談たたかれれば家康も少し笑う。かつての三成が居合わせれば修羅場間違いなしのシチュエーションだった。
 
「豊臣いた頃から、小生だけ、お前さんが舞うところを見たことがないんだぞ」
 
 妙に小生だけ、と強調してくるので家康はますます微苦笑を濃くした。いったい誰と張り合っているのかは、家康でもうすうす分かった。厄介なことになったと腕を組む。
 
「わしの幸若は・・・」
 
 他の事だったら遠慮はない。二つ返事で快諾し―――いやそこまで尻軽じゃないが。
 ただ、舞いの所望だけは。家康がどうしても首を縦に振ろうとしない。自他共に認める徳川家康の苦手科目だった。
 一応、家康に舞いを仕込んだのはあの織田信長だ。戦場に赴く前、信長が鋭いまなざしと足取りで幸若舞を舞えば、あたりの空気もずんと重くなったという。一方の家康が舞えば、本人ド真面目でも座がどっかんどっかんわいた。
 耳にこびりついている大爆笑を反芻させ、家康は気乗りしない風に告白した。
 
「見せられるようなものじゃない、あれは宴会芸だからな」
「見たい」
「・・・。・・・」
 
 こうも即答されると反論の切り口に困る。
 見えないとはいえ、官兵衛のまなざしは真剣だ。家康の醜態を笑い草にしようという気は感じられない。だからますます家康は困り果てた。
 数秒沈黙の抵抗を試みるが、黒田官兵衛の諦めの悪さは折り紙つきだ。いくら家康といえど、根競べをすればきりがない。それが舞いの一指とくれば、我を通そうとするのもなんだか馬鹿らしい。
 
「―――分かった。本当に、本当に期待できるものじゃないぞ?」
 
 くどいくらいに官兵衛に念押する。
 何、数十秒の我慢だと、家康はおのれに言い聞かせた。
 

 
「人間五十年、化天のうちをくらぶれば・・・」
 
 恥ずかしさで、家康は死にそうになっている。もはややけっぱちだった。舞い終えた後はいつも体が重くなったような気がして、気持ちが悪い。
 にこりともしない官兵衛のまなざしもまた、家康の心をわずかに荒らした。
 そうだ、前にもあんな風に幸若を見られたことがある。
 
(あの時、三成はなんて言ってたっけ・・・?)
 
 なんて、家康が思考の海に沈みかけたところで官兵衛が口を開いた。
 
「なんだ」
 
 期待はずれとばかりの言葉を淡々と言う。確かに官兵衛は家康の言うような表情、大爆笑はしていなかった。
 ちょっとだけ驚いた家康にさらに言葉をつづけた。
 
「お前さんにはよ、単に幸若舞があってないだけなんじゃないか?」
「それだ!!」
 
 家康がいきなり叫んだので今度は官兵衛が驚いた顔をする。いったい何が?とその顔に書いてあったので、家康は適当にはぐらかし、官兵衛の話を促した。
 笑みを浮かべて、官兵衛が言った。
 
「お前さん、地の顔がうっすら笑っちまうからな。敦盛のまねごとはできないんだろよ。なに、気に病むことじゃないさ」
「・・・。・・・」
 
 家康は口を開きかけて――やめた。
 ほとんど一字一句変わらないフォローを、官兵衛が目の敵にしている三成から聞いたなんて言ったらどうなるかは容易に予想がついていた。家康は、空気を読んだ。
 
「お前さんには、舞よりは踊りが向いてる」
 
 舞の動きの基本は重い旋回、踊りの動きの基本は軽い跳躍にある。
 神仏に奉納するそれや武家や貴族が教養として嗜むそれは、鍛えあげた所作あってこそのものだ。我を殺し、見せる相手を圧倒する。
 一方、庶民が豊年を祈り行うそれは、心と顔を直結させる。笑みをさらけ出す。そうやって、皆で楽しむものだ。
 
「どっちが似合うなんかて、お前さんにもわかるだろ?そんな堅苦しいもの、今すぐやめちまえ」
 
 官兵衛の極端な物言いに失笑を隠さず、家康が答えた。
 
「そうだな。そうやって、皆で踊れる日が来ればいいな」
 
 時代は関ヶ原というまがまがしい戦に向かって突き進んでいこうとしている。家康は遠い目をして、うなずいた。
 
「小生も忘れるなよ?」
 
 今はこんなものがついちまってるがな、小生だっていつかは鍵を見つけるんだからな。
 
「ああ、絶対な」
 
 力強く答えれば、官兵衛がものすごくうれしそうな顔をした。何故だろう、どこか大型犬を彷彿とさせた。
 
「官兵衛、お前踊りは?」
 
 家康が何気なく尋ねる。「ああ」と億劫そうな手つきで髪をかいて、
 
「てんで駄目だ」
 
 ぶっちゃけた。
 とくに笑わせる気はないのだろう。しかし、滑稽にしか見えなかった。
 「お前なぁ」と噴き出す家康に、「そう呆れるな権現」と官兵衛も笑う。にたり、とした得意気な笑顔だった。
 
「だからな。自由を手にした暁には、お前さんの踊りに盛大な拍手を送ってやるよ」
 
 家康はこそばゆそうな顔する。「今、できなかった分も含めてな」なんて、官兵衛が付け足したのがいけなかったんだろう。
 
 
 
・官の手枷には夢が詰まってると信じてる
・隆慶一郎の小説に出てくる▲はその体形から舞いをやっても大爆笑されたりとか、駿府にお忍びで出かけて民衆にまぎれて踊ったり(これは影武者だったが)とか超可愛いので。
・bsrの場合デブを笑われることはないだろうから、根本として相性が悪いという妄想。または足軽ダンスを超える前衛ぶりで大爆笑。ちげぇよwww時代が権現様についてきてねぇんだよwww
・もう一個ネタおちてきたので投下(突発適当)


「枷が外れたらどうするかって?」

 興味深々な家康の顔を覗き込んで、官兵衛が復唱した。

「ああ、いろいろ決めてるんだろ?」
「そうだな、とりあえず三成と刑部の奴らは一発ずつ殴らさせてもらうとして・・・お前さんだ、権現」
「わし?」

 家康がわしも殴られるのか?と不安げな声を漏らしたので、官兵衛が噴き出した。

「なんで小生がお前さんを殴るんだよ」
「じゃあ、何を――、」

「抱きしめる」

 そう言いざま、官兵衛は家康を不自由な腕の中に通した。

「こんなその場しのぎじゃなくて、ちゃんとお前さんを抱きしめたいんだ」

 火照る顔を隠すように、「今でも苦しいくらいなのに、官兵衛に力いっぱい抱きしめられたらつぶれてしまうかもなぁ」と家康は官兵衛の胸に顔をうずめた。



・おまいらさっさと幸せの青い隼を探しに行けwwww
 

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