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やっさんドマイナー祭りはじめます。
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☆大谷さんがどっちにもすげぇ絡んでます注意
☆真面目に考えて書いたらイミフな方向でやおいになってしまったすいません

☆懲りずに▽▲♀ですと一応主張

 



 

 

 一体どういうシチュエーションなのかは知らないが、視界に飛び込んできた光景に三成は持っていた帳簿の山を落としそうになった。
 心臓が止まってしまったような感覚が襲う。血が滞って、冷水を浴びせられたみたいに身体が冷たい。

「ぐっ・・・」

 なんて、喉まで出かかった奇声を何とかこらえる。
 それでも意識的に止めた足がとんでもない音を立てた。気づかれただろうかという危惧が走る。公正無私の三成からすれば、とんと縁のない危機の言葉だ。身体を一周した頃には、それはイラつきに変わってきていた。
 怒りの矛先は九割九分九厘、家康に向けられる。普段は全く意識していない家康の性別が、浮き彫りになってしまったことが大きいだろう。
 とはいえ、声をかけられるような状況じゃない。かけても気まずい雰囲気になるだけなのは、あの三成にだって安易に予測がついた。居合わせたのが、運のつきとでも言うのだろう。

「―――すまんっ、こんなつもりじゃ・・・」

 家康は三成の存在に気づいていないらしい。正直、それどころじゃないのだろう。謝罪と言い訳を口の奥で転がしてから、足早に大谷の元から走り去る。
 その時の手の動きは、涙をぬぐっているように見えた。

「刑部」

 大谷の方はいたって平生としている。三成はこの男が驚いたりする所を見たことがなかった。
 家康にいきなり抱きつかれた所で、びくともしないのも当然のように思えてしまう。
 不可解と殺意を織り交ぜたような三成の声をどこか楽しむように、

「やれ、今日は一段と暑いが・・・徳川家康の頭も溶けたようだな」

 目の奥で笑って三成に話しかけた。

「何があった?」

 聞き方こそ冷静だが、雰囲気はいつ刀の柄に手をかけてもおかしくないようなそれだ。おお、怖い怖いと歌うように呟いた後、大谷が答えた。

「何、我の病のことを少し話していただけのことよ」
「それで・・・泣いたのか?」

 核心つく質問を「徳川の胸には一体何が入っておるのだ?押し潰されるかと思ったわ」なんてセクハラ発言でかわせば、耳を赤くした三成が言葉を失う。

「なっ――――・・・」

 三成の顔を見て、大谷は内心頷く。
 そうだ、家康もまた、言葉を失っていた。
 大谷の話に、揺さぶられ、こみ上げる激情を形にすることができずに涙を流し、ほとんど本能だろう―――抱きついてきた。
 その行動の底辺にあるものを、大谷はよく知っている。

「三成よ」

 大谷が絶妙な間を空けて口を開いた。

「お主はあの娘が気になっておるのか?」
「刑部!!!」

 見え透いたカマにも、打てば響くように三成は声を荒げる。普段だったらくつくつと笑う所であるが、大谷は声のトーンを一気に下げて、

「やめておけ」

 と忠告した。
 三成は驚いたような顔をしてから、少しだけためらいの色を声に浮かべて、

「ぎょ、刑部も・・・」

 歯切れ悪く何か言いかけている。目の前の男が顔に似わわず、ド直球勝負しかできないことをよく知っている大谷は、めくるめく青春ストーリーに崩壊を起こしかけている腹筋を抑えつつ、

「それはない」

 きっぱりあっさり斬って捨てた。
 考えただけでも笑いのこみ上げてくる構図だった。

「お前は本当に楽しい男だ、三成」

 そう、堪え切れない笑みをこぼす陰で、少しだけ寂しさをかみしめた。三成は嘘をつけない。家康への思いは、紛れもない真実であろう。
 大谷の否定の言葉が不思議でしょうがないのだろう、ならば何故?と顔に書いて三成は沈黙を保った。

「三成よ」

 大谷の目が三成を捉える。心の奥底を覗きこむような不躾な視線にも、三成は眉一つ動かさなかった。

「主は・・・我を哀れむか?」
「何を言っている」

 ちょっと怒ったような返事だった。
 哀れみとは優しい感情だけではない。かわいそうと思う心のその奥には、己が優位に立っているという傲慢な上下関係の認識が隠れている。大谷に差しのべられた手が偽善の色に染まっていることなど、珍しい話じゃなかった。

「・・・。・・・」

 自覚しているならそれで結構、と大谷は内心吐き捨てる。人の不幸を聞いて笑みを浮かべることができる人間なんて己を含めてごまんといる。
 しかし、徳川家康のような反応はどこまでもやっかいだった。
 あの涙は本物だ。純粋な目から、はらはらとこぼれおちる涙はひどく大谷の神経を逆なでる。普段の大谷なら憎まれ口一つでかわせるはずなのに。ぶつけようのない怒りに大谷の身は焼けるようだった。
 あのように憐れまれて、こちらは一体どんな反応をすればいいのだ。泣いた所で病が治るはずもなし、自己満足もたいがいにせよ。迷惑千万だと本気の拒絶をぶつける前に、いたたまれなくなった家康が走り去ったのは不幸中の幸い、三成が居合わせてくれたのは奇跡の様だった。

(あの娘はどうも苦手だ・・・)

 親友が惚れてしまったという現状がそれに拍車をかけている。
 ぐるぐると渦巻く胸中をすべて怪しい笑みに隠して、大谷は答えた。

「・・・主には愚問だったようだな」

 

 

・にょた康だとやや天然偏りする。でも、家康のなんとなく上から目線は結構無自覚何じゃないかなーと妄想していた。
・すいません、大言壮語っていうか、なんとなく斜め上で何様だよって主人公すげぇ好きなんだ。で、内心それ自覚してて悶々と悩んでいると髪の毛なくなる。
 

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