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やっさんドマイナー祭りはじめます。
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無性に書きたくなったオクラと狸・・・なぜ?




ナリ様初書きなので至らぬ出来ですすみません

☆よくわからないリーマンパロ。今度はメーカー系\(^o^)/スーツの上にジャージは正義!
☆地方工場の管理職とか技術職とか、設定もろくにせずにやる無茶ぶりです・・・

おk?

















 


 薄い雲の向こう側で太陽がだいぶ頑張っているらしい。
 雪はやがて霙交じりの雨に変わった。

 

 


「うう、冷た・・・」

 正直傘を忘れた家康にしてみれば踏んだり蹴ったりな話である。ダウンジャケットにかかるのも雪ならばちょっと手で払えばどうってことないだろうが、氷よりも冷たい水は肌に突き刺さってくるような錯覚を覚える。嫌でも熱を奪われていく。意識が寒さ以外に向かない。逃げられない寒さだ。
感覚がなくなった手を見れば、自分の手ながら可哀想なくらいに赤くなっていた。

「寒いなぁ」

 家路は遠い。昼前に帰れるのは有難いが平日のこの時間、駅に滑り込んでくる単線電車の数は激減する。こんな天気では人通りも少ない。街は廃墟のようだった。
濡れる街を家康は急ぎ足で進んだ。歩むこと自体は苦じゃないが、ここにずっといたいとはどうも思えない、寂しい光景だった。
 隣の駅はちゃんと暖房のきいた立派な待合室があると言うのに、「新」の字を冠に頂くこちらの駅は今でも無人駅だ。申し訳なさそうにコンクリートの壁が二枚、ホームに立っている。
 春先、初めてそれを見た時家康は、何が何だか分からなかったが、なるほど、人が何とか入れるこの壁の隙間に入って吹きすさぶ颪をしのげという事らしい。
 ストーブも置けない無人駅ならではのアイデアに笑っていた家康であったが、こんな日は願い下げだ。渋い色合いの貨物列車が止まっているのが遠くに見えるホームに佇む灰色のコンクリートにも冷たい雨水がたっぷりと染み込んで、なんだか大きな濡れ鼠のような印象を覚えた。
 つららの残骸からしとしとと雨が落ちる。電気の半分消えかかった駅の入り口に立つと、盛大に白い安堵の息を漏らした。家康は古ぼけた時刻表を真っ赤になった指でなぞった。

「次は・・・。・・・」

 何と一時間後。
 家康は声を失った。
 とはいえ車検に車を出している以上、電車以外家に帰る術はない。

「仕方がない、待とう」

 そう、声に出して決意すれば、白い息はあっという間に北風にかき消えた。扉一つ、窓一つない駅の中は屋外といっても間違いではない。とうとう歯の根が合わなくなってきて、家康はすがるような思いで自動販売機のもとに移動した。
 なにせ田舎の自動販売機だ。ちゃんと動いているのかすらもあやしい。ディスプレイの中で蜘蛛が死んでいて、正直食欲はそそられない。並んでいる缶コーヒーのメーカーも見慣れないものばかりで、家康はおっかなびっくり豆ちゃんのそら豆ポタージュたるものを押してみた。
 どう考えても機械がいかれている。ちんちこちんに熱された缶が激しい音とともに出てきたが、今の家康にしてみれば救いの神だ。

冷え切った両手で包みこめば、少しだけ身体全体も温まったような気がした。

「どんな味がするんだろうな」

 小さなことだけれども、なんだかわくわくしてきた。誰もいないことをいいことにくす、と声に出して笑う。
 ぷしゅ、と缶を開けると何とも不思議な匂いとともに湯気が上がってくる。猫舌ではないが恐る恐る舌を伸ばして柔らかい緑に付けようとしていた所に、

「そら豆というには甘すぎる味だ」

 塩気の中からやってくる後味を理解する暇はない。声に出して「熱!」と泣けば、馬鹿にしたような、というよりも馬鹿にした視線を喰らった。

 昔はともかく、身長はこちらの方が勝っているはずなのに何故か見下されているような感覚がした。

「毛利!」

 何がどうしてこうなった。
 家康は自問自答した。
 もともと元就と親交深いわけじゃない、というより元就が親交深い間柄の者を挙げろと言われても言葉に詰まる。家康と仲の良い元親も確かに親交深いと言えば親交深いが、どちらかというとあっちは因縁浅からぬという言葉の方がしっくりくだろう。
 日ごろ元親から元就についてさんざん聞かされているせいで、事前知識だけが先走っている。言い方がきつくて、人を寄せ付けなくて、ド☆Sで、日輪がなんとかとか言う新興宗教に手を出しているとにかくやばい奴というあまり本人を前にしてはいえない事前知識ばかりだった。
 だから、傘まで借りた上、元就の家に招かれたという現実がどうも信じられない。街の風景同様、どこか何かがいびつになってしまった物語の中に迷い込んだようだ。
 狐にでもばかされているんじゃないか、と家康は空になった缶を元就の家の側にあった自販機のゴミ箱に捨てた。缶のパッケージに書かれた豆ちゃんの顔もどこか邪悪なものに見えてしまうから不思議だ。

「何をしている?」

 「早く入れ」という言葉はない。ただ、無造作に開けられた横引き式の扉がそう確かに語っている。
 びゅう、と北風に背中を押されて、家康は腹をくくった。好奇心が勝ったと言ってもいい。

「すまんすまん」

 そう、「お邪魔します」と明るい声を意識して出しながら、毛利家の敷居をまたいだ。からからからと軽く懐かしい音がした。
 玄関は狭い。いや、玄関だけじゃない。扉も、廊下も、天上も。古い家らしく、全体がコンパクトにできている。元就にしてみれば不自由しないサイズだろうが、こちとらホビットの村に迷い込んだ人間のような気分――――といったら言い過ぎだろうか。

「――――・・・」

 それから、暗い、という印象を受けた。

「・・・・」
「あ、いや・・・お邪魔します」

 元就本人の話ではない。家の話だ。
 とはいえ、暗いという表現が伴うマイナスイメージのせいで褒めたようには聞こえないのも事実だ。古い家なのだからしたかなかろうが、新品にあるあの、ぴかぴかとした眩しい感じが全く感じられない。柱の色一つとっても、年月に磨き上げられ木とは思えない潤沢な黒色を有している。
 暗いというのに、この暖かさは何なのだろう。そう、床に半分感覚のなくなった足を乗せた所で気がついた。
 恐る恐る、家康が声を出して尋ねる。

「・・・。・・・床暖?」

「ここだけではない、全部屋よ」

 いつもと変わらない元就の能面顔の筈だったが、自信にあふれきった、所謂どや顔に見えてしかたがなかった。

 電気はつけないのか?そう、聞こうと思ったが、止めた。
 真っ白い壁に蛍光灯の明かりのもとで暮らしている家康にしてみれば暗いと意識してしまうくらいの採光量だったが、元就は平気なのだろう。猫の額という言葉がしっくりきそうな庭の向こう側が高い塀なのをいいことに、嵐の日に雨戸を閉める程度で済ませているのだろう。その気になれば外から丸見え状態だった。そんな命知らずがいるかは別として。

「楽にするといい」
「ありがとう」

 ハンガーを借りて濡れきったダウンジャケットを干す。ここの室温ならすぐ乾きそうだった。
 礼を言ってから、家康は自分が一言もしゃべっていないことに気がついた。魅せられたように、外の景色を眺めている。元就もまた、会話が続かない重たい空気など気にもしていないのか、ただ一点、窓の先、庭の先、薄い雲の向こうを見つめている。
 そこからしか、明かりは取らぬ。
 もう、元就は答えているようだった。

(日輪教の教えなんだろうか?)

 どうも、元親という名のプリズムのせいで、目の前の元就とのギャップを感じてしまうなと家康は内心苦笑した。

「・・・」
「・・・」

 元親とはしゃいでいる時を思えば、三成に邪険に扱われながら明るく振舞っている時を思えば、今の自分が嘘のようだった。元就の存在を忘れているわけでも、気になりすぎてお尻のあたりがむずむずするわけでもない。

 この、絶妙な、安定は。

(―――何だ?)

 そう、家康は内心唸った。徐々に自分が毛利家の光に慣れてきているのが分かる。暗いと思っていた部屋は、実は暖かく、明るかった。

「徳川」
「ん、何だ?」
「貴様、今日のような天気は好きか?」
「いや、寒いのは少し苦手だ」
「晴れた日の方が好きか?」

 元就にしては矢継ぎ早の問いだ。宗教勧誘の危惧が家康の中でちらとよぎったが、下手に嘘をつくのもよくないと思い、

「ああ」

 と答えた。
 正直者には福があるのか、ぐずぐずとした曇り空の隙間から、太陽が顔を出したのが見えた。

「晴れるな」
「ああ」

 微かに眼を眇める元就の横で、家康は口の端でほほ笑んだ。

 それが、一番自然だった。

 

 
 切った!長過ぎた!でも背景描写楽しかったー
 毛利家は古い家屋をリフォームしたソーラー発電のお家だよ☆エコだねってとこまで妄想してうふふふしてた。何が楽しかったのかいまだによく分かっていない。

 就+家だと家のテンションがいい方向に下がる。サービススマイルのインフレのせいで、権現様リラックスするとなんか笑顔が失せそうだなと。一体誰相手にそうなるんだと言う所まで来て、ああ、ナリ様だと言う結論に至った。
 こう、え、ちょ、いつの間に仲良くなったのって兄貴が疎外感おぼえるような間柄になればいいよ。昼休み二人で将棋とか囲碁やればいいよもう。


 
 やろうと思えばこれCPにできると思ってしまった。もう家康さん右なら何でもいいんだな・・・
 

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